nAGお客様事例

NIKE 様

お客様事例

NIKEがハイテクシューズのデザインにIRIS Explorerを利用

NIKE1世界的スポーツ用品メーカーの製品と製法の向上をもたらす技術の進歩に、「R&D SWATチーム」が使用するフレキシブルかつパワフルな可視化ソフトウェアが一役かっています。  

Bob Borchers(Adcanced Technologyリサーチマネージャ)と、彼が率いるシューズ設計開発グループ(Oregon、Beaverton)は社命により、確固たる技術とNike,Inc.製品のシェアの拡大のための研究を行っています。 「我々は、全てを試しました。」Borchersは、コンピュータプログラマ、生物工学、機械工学の多分野からのメンバからなるチームについてこう語ります。「我々の部署では、個々のカスタマのニーズに合った製品を設計を迅速に行うコンピュータツールのような基本的な技術から、靴をフィットさせる新システムまであらゆる物を研究します。」

スタンフォード大学で機械工学、ハーバード大学/MITで医療工学の修士課程を修めたBorcher自身の研究テーマは「足と靴の相互作用」であります。膨大な数の足型を解析し、その情報をもとに、靴の内部形状を決定します。

NIKE2靴を設計するということは、つまり、表底、中底、甲といった様々な部品を製作することです。そして、それらの部品を、靴型と呼ばれる足の形を保持する器具に被せていきます。Borcherのチームは、靴の内部形状を表す靴型の形状について理解し、改善していく方法を研究しています。

「伝統的には、靴型の形状は製造工程の制約から決定されてきました。我々は、逆方向からのアプローチを試みているのです。つまり、足の形態学を理解することで靴型の形状を決定するのです。」と、Borcherは説明しています。

今日では、Borchersのチームは、靴型の形は足に幾分似てはいるが、非常に重要な点において相違があることを認識しています。多くの研究結果、特にコンピュータでの可視化ツールを用いた研究から、シューズの内部形状がどうあるべきであるか、よく理解できてきたのです。

シリコングラフィックスIndigo 2 Extreme デスクトップワークステーション R4400プロセッサ 4GBハードディスク 128MB RAMという環境で、Borchersはインタラクティブ3Dデータ可視化システムIRIS Explorerを使用してデータの解析を行っています。彼らが扱うデータのサイズは4MB〜20MBになります。(300,000点のx-y-z座標データを出力する足のスキャンデータを基に作成されたデータ)

NIKE3「我々の研究にとって2つの重要な側面を持っていることから、我々はIRIS Explorer(IE)を採用しました。」彼はこう述べています。「一つ目は、アプリケーションの迅速なプロトタイピングです。新しい解析アルゴリズムを試したいとき、あるいは、ただ単にこんな風にしてみたらどうだろうと思ったとき、IEでは迅速かつ柔軟に、プロトタイプコードをまとめあげることが出来ます。IEによるプログラミングオーバーヘッドの削減は、我々にとって大きな利点です。解析結果や足の形態を理解するには、速くて正確な可視化が必要になります。そしてこれが、IEもたらす2番目の大きな利点です。レーザースキャナから取ったデータであれ、プローブで取ったデータであれ、IEは安定したデータの取り扱いを可能にします。」

「可視化ツールIE―特にRenderモジュール―の柔軟性は我々にとって非常に重要です。面の表現方法を、ソリッド、ワイヤフレーム、ポイントと、すばやく切り替え無くてはならないことがしばしばあリます。今見ている足の突起は、一体何でしょうか。データの異常でしょうか。あるいは、実際にその人の足にある腫れなのでしょうか。見え方を次々に切り替えることで、データを詳しく調べることが出来るのです。」

Borchersが言うには、足にシューズをフィットさせることは非常に厄介なことなのだそうです。これは、足の形は時間と共に劇的に変化するためです。たとえ1時間経過しただけでも足の形状は変化します。「ある人の、ある日の足型と次の日の足型を採ったとすれば、これらは大きく異なっているでしょう。Explorerと専用の追加アプリケーションを使えば、2つの形状を調べ、比較し、違いを見つけることを、大変すばやく行うことが出来るのです。」

Renderモジュールは幾何データを表示します。このモジュールはInventor Scene Viewerを元に作成されており、様々な方法で表示を行うことを可能にします。Renderには主に二つのモード、ビューモードと選択・ピックモードがあります。ビューモードでは、カメラパラメータを変更することができます。また、ビューを透視法射影と正射影で切り替えることも可能です。その他にも、空間飛行をシミュレートするフライビューア、視点の高さを一定に保ちながら歩き回るカメラアングルのウォーカービューア、X、Y、Z各平面に垂直な方向を向くカメラを操作できるプレーンビューア等を備えています。

Borchersの研究に独特なことは、彼らがIEに要求することと同じことが出来る可視化ソフトウェアは他にはほとんど無いということです。彼が言うには、ありふれたツールで扱えるデータはある程度決まった形、データを仮定して作成されています。しかしながら、足は不規則な形をしたものであり、機械工学やCADパッケージなどの前提、規則に当てはまることはまずありません。

そこで、Nikeがたどり着いた解は、IRIS Explorerにデータセットを適用し、データセットを調べることです。結果、視覚的に理解できる形でデータを見ることが出来るようになります。完全にデータが理解できた時点で、データをCADパッケージへ出力します。

プレゼンテーション用にスクリーンをキャプチャしてプレゼンテーション、ドキュメントに貼り付けることが良くあります。また、直接プリンタに画を出力することもあります。

Nikeは、ビジュアル志向のクリエイティブな人材を雇用しているため、最高の可視化ソフトウェアは結果についての議論を行うのに必須のアイテムです。「我々が話をしなければならない相手は、私が面の法線を使ったとか、18桁の精度で比較を行ったとかはどうでもいい人たちです。」とBorchesは説明します。「彼らは、何が起きているのかを直感的に理解したがります。そういう風な意思の疎通を図るには、可視化を通して行うしかありません。」

「また、Nikeはビジュアルな画像を好むので、可視化の内容が全く「ダサい」ものであった場合やレスポンスが迅速でない場合、オブジェクトがスムーズに回転しない場合、色が悪い場合、議論の流れが止まってしまいます。どのようなデータに対しても、一貫して取り扱える方法を得るためであれば、我々は、多大な努力を惜しみません。IEを使えばまさに期待したとおりに、可視化、レンダリング、回転を行うことができるのです。」



関連情報
MENU
Privacy Policy  /  Trademarks