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MIT(マサチューセッツ工科大学) 様

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自由境界を伴う流動問題の解明

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自由境界を伴う流動問題の研究 ― 特に魚の動きと船体周りの流れの検証と可視化 ― は、マサチューセッツ工科大学海洋工学科Vortical Flow Research(VFR)研究室における主な研究領域です。

研究室では、学生達が「高推進効果(high propulsive efficiency)」をもたらす魚の流体力学の特殊性を説明しようと研究に励んでいます。魚の泳ぎ方の巧妙なメカニズムが理解できれば、その原理を潜水艦型の船体の設計に適用することが出来ます。

VFR研究室の中には、船体に近接した流れや航跡を研究する学生もいます。他にも、船の後方の波や航跡のメカニズムを研究する者もいます。海洋工学科でのもう一つの研究テーマは、水中での物体に働く力を正確に求めることです。速度分布、圧力分布はどのようになっているのでしょうか。波の抵抗はどう働くのでしょうか。

fsh2 多目的可視化ツールは、上述のような流体データの解析に役立ちます。そのような可視化作業のために、VFR研究室はIRIS Explorerを選択しました。研究室では、シリコングラフィックスR8000 Power Indigo2上でIRIS Explorerを使用しています。

速度場の表示、圧力の等高線、渦度の等値面の描画等、様々な流体計算の結果を可視化する上で、VFR研究室のスタッフはIRIS Explorerは大変便利であり、そして必要不可欠なツールであると認識しました。

可視化のプロセスは、魚がいかにして泳ぐか、船が海をどのように進んでいくかをモデル化、シミュレートするCFDコードから始まります。非常に大きい、三次元のデータがシミュレーションから得られます。このデータは大体100メガバイトから400メガバイトになります。これらのデータは、時間発展する魚の周りの速度場、圧力場の情報を持っています。

IRIS Explorerを用いて、 彼らは三つの量を可視化することが出来ます。魚の周りの速度場は、速さの変化に応じて着色した小さな矢印によって表されます。

等高線と等値面を用いれば、魚の周りの流れの圧力と渦度を表現することが出来ます。IRIS Explorerでは、大きいにしろ小さいにしろ全てのデータを読み込み、データの一部だけを抜き出して使用して、必要な部分だけをレンダリングすることが可能です。そのようなわけで、彼らは任意の点でのある一つの物理量の等高線を見るために、データをスライスすることも出来ます。

fsh3 VFR研究室が好む可視化方法はベクトル、流線、等値面、直交断面です。また、IEにはデータ入力のサンプルモジュールが用意されていますが、彼らはIEのモジュール作成機能を利用して自前のモジュールを作成しています。

VFR研究室のLeonard Imasは、IRIS Explorerは、例えば航空機の周りの流れや地震データを可視化するような、ある分野に特化した良くある可視化パッケージではないと認識しています。海洋のような自由境界を含む流れを見ようとする場合、多くのパッケージでは、必要としている処理を行うことが出来ません。「私は様々なパッケージを試さなくてはなりません。我々は、まあまあ良く知られている三次元可視化パッケージを幾つか試しました。NASAが主に航空機の周りの流れを調べるために作成した物については、気に入りませんでした。このパッケージを使って航空機の周りの可視化以外のことを行おうとすれば、データに色々手を加えて、パッケージに合わせてやる必要があるのです。もう一つのパッケージは良かったのですが、高価すぎました。教育機関向けの価格でもね。それに、レンダリングのクォリティはIRIS Explorerほどは良くはありませんでした。その他のパッケージもIRIS Explorerほどは良い結果をもたらしませんでした。」と、彼は述べました。

このようなサイエンスやエンジニアリングの領域では、精度は非常に重要であることは言うまでもありません。IRIS Explorerには、精度と信頼性に定評のあるnAG数値計算ライブラリの洗練されたアルゴリズムを用いて作成されたモジュールが含まれています。このようにライブラリを使えば、基本的なアルゴリズムの実装にかかる開発時間と労力が節約でき、可視化プロセスの他の部分に専念することが出来るようになります。全てのモジュールは他の様々な事例において使用されており、ユーザはこれらのモジュールを信用して使用することが出来ます。

海洋工学科では、研究結果を刊行物や会議等で公表する時にはいつでも、IRIS Explorerを使用してイメージを作成・出力し、説明に役立てています。

fsh4 「IRIS Explorerは、操作性が直感的で、我々にとってとても簡単に使いこなすことが出来ました。」とImasは言います。「ユーザは、データを見るために必要なものは何かを楽に見つけることが出来ます。なぜなら、IEはとても柔軟な可視化パッケージであり、ユーザが好きなように繋ぎ合わせることが出来るたくさんのブロックを用意してくれているからです。このブロックをいろんなふうに繋いで、望みの結果を得ることが出来るわけです。」

Imasはこう付け加えました、「ユーザが出来ることと出来ないことを決める束縛が非常に少ないんです。私たちはIRIS Explorerの柔軟性を本当に気に入っています。」



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